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谷謙二研究室(埼玉大学教育学部 社会講座 人文地理学)



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就職・進学移動と国内人口移動の変化に関する分析

地理学研究報告(埼玉大学教育学部)20号 2000年

谷 謙二(埼玉大学)

論文構成

I はじめに
1.問題の所在
2.資料


II 国内人口移動と就職・進学移動の動向
1.国内人口移動の動向
2.就職・進学移動の動向
3.高校卒業者数の推移

III 就職・進学移動の変動要因
1.進学移動
2.高卒就職移動
(1)高卒就職移動者数の変化
(2)高卒就職者と製造業
(3)高卒者の就職と制度

IV 1970年代以降の国内人口移動
1.就職・進学を除いた国内人口移動
2.大都市圏への流入
3.大都市圏からの流出

V 結論

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要 旨

 本研究では,中卒就職移動,高卒就職移動,大学・短大進学移動という,特に大都市圏へと向かう移動に関して時系列的に分析するとともに,それら就職・進学移動を除いた国内人口移動に関しても分析を行った。1970年代以降の地方圏から大都市圏へ向かう移動流の変動要因については表5のようにまとられる。また大都市圏から地方圏への移動はUターンと転勤移動が中心であり,ある時点の移動量はそれ以前の大都市圏への流入量の変化に影響されると考えられるが,Uターンによる移動とそれ以外の転勤などによる移動とを分けることはできないため,時期別に変動要因を特定するのは難しい。

 これらの結果から導き出される1970年代以降の大都市圏-地方圏間の人口移動システムは,主に次の二つの循環的な移動から構成されていると言えよう。すなわち,①就職・進学に伴う地方圏から大都市圏への移動と,同一人物による地方圏へのUターン,②転勤に伴う大都市圏-地方圏間の移動。したがって,今後は①②がどのような場合に大都市圏側に流入超過をもたらし,あるいは地方県側に流入超過をもたらすのかを人口学的・経済的側面からより計量的に検討していく必要がある。